| <対象> |
介護老人保健施設の入所者の中で、犬好きでドッグセラピーに興味のある方
7名で性別は全員女性、年齢は76歳から95歳までで平均年齢は86歳でした。
基礎疾患 老人性痴呆4名、脳血管後遺症2名、パーキンソン症候群1名である。
歩行の程度:車椅子、歩行器、杖 等 |
| <方法> |
グループドッグセラピー(犬1頭)
週一回 30分
期間:6月8日から8月31日まで7回から11回まで
場所:リハビリフロアー
担当:ドッグセラピィスト1名、医師1名、ナース1名、介護スタッフ3名、理学療法士1名
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| <ドッグセラピーの実施内容> |
| 導入、展開、まとめ |
| <検査項目> |
- ドッグセラピー開始後一ヶ月目 開始直前直後の2回採血
免疫能:NK細胞活性、CD4、CD8、CD4/CD8比
内分泌:カテコールアミン、コルチゾール、ACTH
- ドッグセラピー開始前、ドッグセラピー7〜11回終了後
長谷川式簡易知能評価スケール、N式老人者用精神状態評価尺度、N式老人者用日常生活動作評価尺度、要介護度(・から5) 測定
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| <結果> |
- NK細胞活性の変化について対象者7名をドッグセラピー30分前後で比較検討した。
NK細胞活性の平均値は46.0%より48.9%へと上昇を示した。個別に見ると犬との関わりが深い人のほうがセラピー前後の活性上昇が強い傾向が見られた。
- カテコールアミンの変化について対象者7名をドッグセラピー前後で比較検討した。アドレナリンの平均値は0.03と前後で変化は認められなかった。同様にノルアドレナリンの平均値は0.13、ドーパミンの平均値は0.03とともに前後の変化は認められなかった。
- コルチゾール、ACTHの変化について対象者7名をドッグセラピー前後で比較検討した。コルチゾール、ACTHともに有意な変化は認められなかったが、個別で見ると、コルチゾールにおいては、犬と関わりの深い人に上昇傾向が見られた。
- CD-4、CD-8、 CD-4/CD-8の変化について対象者7名をドッグセラピー前後で比較検討した。CD-4、CD-8ともに有意な変化を示さなかったが、CD-4/CD-8の平均値で1.37から1.43と上昇が見られた。しかし、犬の関わりでは傾向は_めなかった。
- ドッグセラピーとHDS-R、NMスケール、N-ADL、要介護度の変化について対象者7名をドッグセラピー開始前と11回終了後で比較検討した。HDS-Rでは改善3名、不変2名、悪化2名であり、平均得点は12.3と前後で変化なかった。NMスケールでは改善4名、不変3名、悪化0名であり、平均得点は26.7から31.9と上昇傾向が見られた。N-ADLでは、改善4名、不変1名、悪化2名であり、平均得点は31.7から32.3と上昇傾向を認めた。要介護度では改善0名、不変6名とほとんど変化は認めなかった。
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| <考察> |
- NK細胞活性について
対象者での有意な変化は認められなかったが、犬の関わりによって個別に聞き取りをすると、犬との関わりが深い人ほどNK細胞活性が上昇し、NK細胞が、非特異的に腫瘍細胞やウイルス感染細胞を殺し、また免疫機能にも関わっていることから、何らかの免疫能に影響を与えていることを示唆している。
- カテコールアミンについて
有意な傾向は認められなかった
- コルチゾール、ACTHについて
犬との関わりの深い対象者においてコルチゾールが上昇しており、興味の対象である犬のセラピーによってストレスというよりはむしろ興奮状態で上昇したことが考えられます。
- CD4、CD8、CD4/CD8について
AIDS、B型肝炎、伝染性単核症などの感染症で低下し、免疫機能の一つの指標として使われているCD4/CD8において対象者で上昇していたが、有意差は認められなかった。
- NMスケール、N-ADLで上昇していたが施設内の他の療法との影響度を考慮していかなければ有意差はでないと思われました。
今回の検証により、犬との関わりが深い対象者にNK細胞活性の上昇傾向が強く、またコルチゾールの上昇も見られるため、犬との関わりの程度が免疫系、内分泌系に何らかの影響を与えたものと思われる。今回の検証では対象者は7名と少ないため、統計的有意差は認められなかったが、今後症例を重ねて影響を実証していきたい。ただ、ドッグセラピーの場合他の音楽療法と比較して、1頭当たりの対象者の数は5〜6人が最適と少ないため、セラピー対象者を増やすためにはセラピードッグ、ドッグセラピストの育成が急務と考えます |