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『ドッグセラピーの効果』
大阪大学人間科学部 (ボランティア人間科学講座)
助教授 渥美公秀氏
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■調査の概要
老人保健施設アルカディアに入所中の老人生痴呆症の患者さん10人を対象とし、「犬と接するグループ」「接しないグループ」の2グループに分け、9ヶ月間、週1回、1時間のペースでリハビリを実施。
■調査での注目点
・記憶力に改善がみられるか
・歩行速度、おむつなどの身のまわりのことに変化が見られるか
■結果
<記憶力の改善>については長谷川式知能テストなどでセラピー毎に改善度を測りながら調査をし、3ヶ月後の研究結果では「犬に接しないグループ」に比べ、「犬と接するグループ」のほうが痴呆症の改善度が高いという明らかな結果がでました。
<身の回りの変化>についてもおむつがはずれた患者さんの数が「犬と接するグループ」の4人に対して「接しないグループ」は2人という差がでました。
さらに別のグループでも調査をくり返した結果、同様の効果がみられました。セラピードッグの成果の確実さを認識できたといえるでしょう。
■総括
ドッグセラピーはただ触れ合うだけでなく犬と一緒に遊んだり、犬の世話をしたりすることで、心理的な効果となってリハビリに対する積極性や、自立する前向きな姿勢を生みだしていくのです。
もう一点、注目する事は、今まで何の反応もなく表情の変化もなかった患者の表情が豊かになってきているという現象です。犬と接することにより、笑ったり、反応を返すようになる姿を見て、驚かされてもいます。そのことで、周りの人たちの意識も変わってくるのでしょう。こんなものだと思っていたことが、もしかしたら…というような期待感となり、患者さんに対する取り組み方にも積極性が出てくるのです。
また、これまで会話がなかった患者同士の間でも、犬を通して会話するようになったりもしています。セラピードッグを媒介にして人間関係に深みが出てくることが、もうひとつの大きな効果と言えます。セラピードッグの育成を促進することは、老人性痴呆症の改善につながっていくのだと思います。
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