ドッグセラピーの効果

私たちの心と体を癒すセラピードッグ、その効果はどのようなものなのか?

「明るくなった」「笑顔が見られるようになった」など主観的な効果の実例は国内外でも数多く報告されてきました。しかし、客観的なデータは存在しませんでした。そこで、日本レスキュー協会では精神科医や大学教授研究チーム、医療従事者などと効果の検証を行い、検証結果を発表しています。

ドッグセラピーが医療のプログラムとして確立されるためには、認知症や心のケア、リハビリテーションにどのような効果があるのか、またどのようなプログラムが効果的に働くのかなど、あらゆる角度から検証を行い、実証データを蓄積していく必要があります。


日本レスキュー協会では各分野の第一線でご活躍されている先生にご指導をいただき、検証をすすめています。

※セラピードッグの訪問を希望される施設様は、お電話(TEL.072-770-4900)あるいはドッグセラピーに関するお問い合わせフォームにてご連絡ください。

効果検証発表例「痴呆性高齢者に対するドッグセラピーの試み」

第18回日本老年精神医学会 真野充弘氏、内苑まどか氏、西村健氏

20141218「痴呆性高齢者に対するドッグセラピーの試み」

◆抄録

特別養護老人ホームに入所中のアルツハイマー病に罹患し、中等度痴呆を有する高齢者10名(男性2名、女性8名)にドッグセラピーを試みた。

ドッグセラピーには、特別に訓練された治療犬を用い、毎週1回、毎回30分間、ドッグセラピープログラムを行った。ドッグセラピーの効果の評価には、ドッグセラピー前後にN式精神機能検査およびGBSスケールを一部改変した日常行動観察表による評価を、毎回のドッグセラピー中には本研究のために作成した行動観察表による評価を行った。

その結果、N式精神機能検査ではドッグセラピー後2名のみに、情意面での改善による2次的改善がみられた。日常行動観察では、ドッグセラピー後、7名に改善が認められ、とくに、覚醒度、焦燥感、睡眠障害などの改善が顕著であった。
ドッグセラピー中の行動観察ではドッグセラピー2?3回目まではプログラムへの興味を示したが、以後はしだいに慣れや飽きが見られるようになった。

この結果はプログラムを工夫し、興味を維持できれば、持続的にドッグセラピーが痴呆性高齢者の日常行動の改善に役立つことを示唆している。

→レポート「痴呆性高齢者に対するドッグセラピーの試み」(PDF)

その他の効果検証発表例

「痴呆性老人に対するドッグセラピーの試み」

七山病院共同研究チーム
院長:本多義治氏、
作業療法士:小川真理子氏、大湾由美氏、臨床心理士:南里裕美氏、
大阪体育大学 短期大学部教授(精神保健福祉専攻):鈴木英鷹氏、
NPO法人 日本レスキュー協会:大山ひとみ

「介護老人保健施設におけるドッグセラピー前後の各種指標についての考察」

介護老人保健施設 
アロンティクラブ理事長 医学博士 矢木崇善氏

※効果検証発表例の詳細は、日本レスキュー協会までお問い合わせください。

学会発表

・第10回 日本老年精神医学会
・第2回 日本痴呆ケア学会
・第12回 世界精神医学会横浜大会(02年8月)
・第18回 日本老年精神医学会

※学会発表についての詳細は、日本レスキュー協会までお問い合わせください。

検証の指導・助言

1.高齢者・認知症ケアの分野

・聖マリアンナ医科大学理事長 長谷川和夫氏
・東京都老人総合研究所 精神医学研究部長 本間昭氏

2.子どものケアの分野

・東海大学医学部 精神科学部門教授
・日本児童青年医学会理事長 山崎晃資氏
・社会福祉法人 英芳会理事長 医学博士 北畑英樹氏

※検証の指導・助言についての詳細は、日本レスキュー協会までお問い合わせください。

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