災害救助犬について

災害救助犬とは

災害救助犬(レスキュードッグ)は、地震や台風、土砂崩れなど災害で行方不明になっている人を優れた嗅覚で捜索するために特別に訓練された犬たちです。

人命救助を使命とする捜索活動は、きわめて慎重な判断が要求されます。そのため、災害救助犬には全壊建物や倒壊建物の下敷きになった人の捜索や土砂災害などあらゆる災害現場を再現した訓練場で本番さながらの訓練を行わなければなりません。

日本レスキュー協会の災害救助犬は、これらの厳しい訓練を受けています。

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本当に信頼できる災害救助犬について

1. 誤認反応が多く信頼されなかった災害救助犬

平成7年の1月に起きた阪神淡路大震災時、海外から災害救助犬が派遣されました。しかし思ったほどの成果を出せず、誤認反応を繰り返すという結果に終わってしまったのです。

実は、これは救助犬の訓練方法に問題がありました。ある海外の救助犬は人間を見つけると褒美として食物をもらうという方法で育成されています。この育成方法は、犬の能力を早く向上させ、短期間で育成できるという大きなメリットがあります。

しかし、[人間]=[おいしいもの](食物)という図式で育成するため、このような災害現場での救助となると、人間以外の現場に散乱している食物にも反応してしまうという致命的なデメリットがあったのです。

日本レスキュー協会は、この教訓をふまえ、各国の救助犬を参考に食物反応をしない独自の訓練方法を確立しました。

2. 実戦捜索訓練をクリアした災害救助犬

犬の訓練は長時間行うより短時間で終える方が効果が上がります。なぜなら、犬は長時間の集中力が続きにくいからです。こうした犬の特性を生かして、短時間集中型の訓練を毎日行います。

また、日本レスキュー協会が災害救助犬に認定する犬は、災害現場を想定した実戦捜索訓練を数多く経験した犬たちです。だからこそ、本当に信頼できる世界トップレベルの災害救助犬が生まれるのだと自負しています。

クリープ

クリープ「ふせ」の状態のまま前進。人間でいえば「ほふく前進」のようなもの。ガレキとガレキの間の隙間に入り、捜索するために必要な訓練です。

障害物

障害物災害時には様々な障害が考えられます。日頃から階段、スロープ、シーソーなどを使い不安定な場所に慣れ、恐怖心を取り除く訓練です。

遠隔操作

遠隔操作「前へ」の指示で前進。右、左と指示通りに動くように、離れた場所からの指示に従わせる高度な服従訓練。広い範囲の捜索の際にも必要です。

ガレキ捜索

ガレキ捜索実際に倒壊したビルなどを想定し、現場と同じ状況での捜索訓練を行っています。足場の悪い中を嗅覚を頼りに捜索します。

土砂捜索

土の中に人が埋まり行う、土砂くずれや土石流災害を想定した捜索訓練です。土砂は密度が高く臭いが出てくることが難しい環境であるため、このような訓練を実施することが重要です。

水難捜索

水難捜索落水者や溺れている人を救助する訓練です。浮き輪などを要救助者のもとへ運び、安全な場所まで引っ張ってくる訓練をしています。毎年、天神祭の水難パトロールにも参加しています。

雪難捜索

雪難捜索雪崩や雪山での行方不明者を捜索する訓練です。雪に埋まっていたり、倒れている捜索対象者に反応させる訓練が要求されます。

ホイスト

ホイストヘリコプターからの降下を想定した訓練です。車で入れない所への出動やヘリコプターでの緊急出動時に必要となります。

引退する災害救助犬の里親募集(リタイアウォーカー)について

当協会の災害救助犬は概ね8歳を目処に引退させ、里親(リタイアウォーカー)様の元で余生を謳歌してもらいます。

私たちは皆様に支えられている以上、有事に備えて続く世代の災害救助犬を育成していく必要があります。
しかし育成をするための費用や犬舎の数には限界があるため、引退する犬たちを温かく家族として迎えてくださる里親(リタイアウォーカー)様を募集いたします。

※リタイアウォーカー様は先着順で決定は致しません。引退の日は明確に決まってはいませんが、その日までの調査やお見合いなどで最も適していると判断させていただいた方の元へお世話になります。

※リタイアウォーカーへのお申し込みは、里親・一時預かりボランティア・リタイアウォーカーお申し込みフォームにてお申し込みください。

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